腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に 日常活動維持が大切 「医療新世紀」
2011年8月30日 提供:共同通信社
▽痛みの悪循環
「欧米では、腰痛の再発や慢性化には心理的、社会的な要因が非常に重要だとされている」
と、関東労災病院(川崎市)で勤労者筋・骨格系疾患研究センター長を務める松平浩医師。
松平さんによると、エックス線や磁気共鳴画像装置(MRI)による画像検査で異常があっても
腰痛のない人や、逆に異常がないのに痛みが強い人もいて、画像所見で痛みの原因を説明
できるとは限らない。
腰痛で病院を受診する人のうち、診察や画像検査で原因が特定できるのは15%で、残り
85%は原因が特定しきれない「非特異的腰痛」に分類される。いわゆる「ぎっくり腰」もこれに
含まれる。
このタイプの腰痛の多くは放っておいても痛みは消える。しかし、心理的な問題から腰を動かさず
にいると筋肉が硬直、気がめいってうつ傾向が強まり、さらに体を動かさなくなる「痛みの悪循環」
に陥ることがある。
▽再発3・65倍
医師から「椎間板が減っている」「骨が変形している」などと言われて腰痛に対する不安や恐れが
募るケースがある。松平さんの研究によると、ぎっくり腰で受診した患者のうち、治るまで安静にす
るよう指導された68人と、できるだけ普段の生活を続けるよう指導された32人を比較すると、翌
年にぎっくり腰を再発するリスクは安静を指導された患者の方が3・65倍も高かった。
心理的な問題が、より複雑に絡むこともある。松平さんの診察は週に1度。毎回1~2時間に
及び「人生相談のようになってきた」という。
松平さんは「腰痛は腰が主要な問題ではあるが、怒りや不安から痛みが来ることもある。共感
したり、分かってあげたり、少しずつ考えを変えてあげたりする療法が効果的な場合もある」と
指摘している。